ブクブク交換の不思議なところは自分の持ってくる本について、あたかも作者やその関係者であるかのように語ってしまうところです。
また、そこから誰も頼んでいないのに、その人の子供のころの記憶や、家族の話など極めて内面的なことを自然に吐き出してしまう。
“なぜ好きか”を他者に説明することはとても難しいことですが、それを説明しようとするときに内面や過去の体験を引きずり出さずにはいられなくなるのでしょうね。
本を媒介として個人の内面の発表会になることで、初対面なのにあらゆる敷居や境界が取り除かれてしまう。それらがリピーターの増え続けるブクブク交換の秘密ような気がします。
(佐藤大祐 ／映像・情報センター メディアセブン)
初めて参加したとき、人が大好きな本のことを話すのを聞くことが、こんなに楽しいことなのか、と驚きました。
2回目に参加したとき、自分が好きな本を人に伝えること、共感してもらえることが、こんなにウレシイことなんだ、と感動しました。
3回めに参加したとき、これまで知り合うはずもなかった人たちが自分の周りにずいぶん増えて、人生がますます楽しくなりました。
今まで、読書というのは個人的な体験でしかないと思っていましたが、ブクブク交換はそんな常識を覆す、新しい出会い系イベントでした（笑）
昨年は札幌のブックカフェで開催しましたが、今年はススキノの隠れ家バーで、牧草ロールが転がる青空の下で、ひなびた田舎の温泉宿で…
本を通した出会いを求めて、北海道各地で開催したいと思いますので、皆さん、ぜひ一度参加してみて下さい！
(木村 一哉／札幌のブクブク交換主催者)
参加者全員が雄弁なストーリーテラーになる。これがブクブク交換の醍醐味です。
自分のなりたいもの、自分の好きなもの、自分の好きな人、自分が美しいと思ったもの・・・本が持つ、味のある語彙を通じて語られるそれらは、伝え手の感性を交えることでさらにうまみを増します。
言葉に対する想像力のアンテナを最大限に張り巡らせながら、人の感性をじっくり味わうひとときはとても刺激的です。
(あまやん／ナレーター、パーソナリティ)
同業者に、ブクブク交換の話をすると反応は、面白いほど二分する。
僕の説明が悪いのかもしれないけれど、ブックオフ問題と同列にとらえる編集者が意外に多いのに驚かされる。
僕たち編集者は「本」という「商品」を作っているという意識は極めて薄い。
本を通した「体験」を生み出しているという自負が少なからずある。
と同時に、音楽のように、複数の人たちが同時に同じ「体験」を共有する瞬間を作れないことに、どこかでコンプレックスを持っている。
ブクブク交換は、一冊の本を通じて、他者と「体験」を共有し、作った本人すら気づかなかった本の魅力を紐解いてくれる。
これほど編集者冥利に尽きるイベントは他にないじゃないか。
(水野隆／編集者)
ブクブク交換に出逢ってからまだ3ヶ月。
その短期間で、どれだけたくさんの人と出逢ってどれだけ本を読む時間が増えたことか（笑
人とつながるって案外難しくはないこと。
自分が知らない面白い本がまだたくさんあること。
そして実は誰かと本について語り合いたかったこと。
全てブクブク交換が教えてくれたことです。
来月で札幌カフェデュモンドでの開催も4回目。
これから出逢うであろう方々と本を想うとワクワクで胸が震えます！
(宮地 由佳／札幌のブクブク交換主催者)
ブクブク交換をやってみてよかったこと
1.フィレンツェ在住邦人で今まで知り合うことのなかった人に出会え、新しい人脈ができたこと。
海外に暮らしているとこういう繋がりは本当にありがたいです。
2.自分の本棚がきれいになったこと。
これは私だけかもしれませんけど、10年近く放置されていた蔵書の整理整頓のきっかけになりました。
3.自分の知らない分野の本にたくさん出会えたこと。
十人十色、選ぶ本も本当に個性的で、世の中にはこんなにたくさんの選択肢があるのだと実感。
4.一度読んだ本もブクブクのためにもう一度読み返したりプレゼンのためにじっくり読み込むことで年を重ねたからこそ理解できること、以前には気づかなかった点などに目が留まり新しい発見となったこと。
学生時代以来忘れていた｢読解力｣を思い出しました。
5.海外に出るときに持てる荷物は限られていて、そういう意味で在住者の下にはそれぞれの選りすぐりの本が集まっている気がします。
そういう本にこめられた一人一人の思いをプレゼンで聞くと、明日もがんばって暮らそうと単純に元気をもらうことができます。
(オマタ トモコ／フィレンツェ在住のブクブク交換主催者)
普段は無口な人でも、自分の好きな本について語るとなると、急に楽しそうに話し始めることがあります。
自分が好きなことについて喋るのは、極上の癒しの効果があるのかもしれません。
楽しそうに話せば、参加されている方々も、思わず耳を傾ける・・・そんな、不思議な相乗効果がある場が「ブクブク交換」だと思います。
まずは、本棚を見て、自分が勧めたい本の選出から。
これが意外なほどに楽しかったりします。
(やきそばかおる／ライター)
